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ドイツの写真家トーマス・ホエプカー(1936–)の作品集『DDR Views』。マグナム・フォトを代表するフォトジャーナリストとして知られるホエプカーは、1950年代末から東ドイツ各地を継続的に取材し、壁崩壊以前の社会と日常を丹念に記録しました。本書には、政治的緊張の影を帯びながらも穏やかに暮らす人々、質素な街並みや工場地帯、休日を楽しむ家族など、かつて存在した国家の素顔が鮮明に収められています。プロパガンダ的な演出を排し、市井の人々の表情や街角の空気を淡々と写し取ることで、体制の枠を超えた人間らしい日常が浮かび上がります。時代に呑み込まれた社会を、距離を保ちながらも温かいまなざしで見つめたホエプカーの写真は、歴史的記録としての価値とともに、普遍的な人間の営みを映し出す力を今に伝える一冊となっています。(カバーにダメージ。見返し書き込みあり)