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イギリスの写真家コリン・ジョーンズ(1936–2021)の作品集『The Black House』。バレエ団のダンサーから報道写真家へと転身した異色の経歴を持つジョーンズは、1960〜70年代のイギリス社会を鋭い視点で記録し続けた作家です。炭鉱労働者の暮らしや社会的弱者の姿を被写体とし、政治的・社会的な背景を静かな観察眼で浮かび上がらせるスタイルに定評があります。本書は、ロンドン北部ホロウェイ・ロードにあった若年黒人男性向けホステル「ハランベー・プロジェクト」(通称ブラック・ハウス)を1973〜76年にわたって取材したシリーズをまとめたもので、当時の英国社会における移民二世の現実を記録した重要なドキュメントです。緊張感と親密さを併せ持つポートレートや共同生活の場面を通して、社会の周縁に置かれた若者たちの姿を真正面から捉え、時代の空気を濃密に伝えています。報道写真の域を超え、写真史的にも高く評価される一冊です。