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イギリスの写真家マーティン・パー(1952-2025)の作品集『Fashion Faux Parr(Signed)』。1970年代以降、イギリス社会を起点に、消費文化や階級意識、余暇の過ごし方といった日常の風景を、鮮烈な色彩と乾いたユーモアで捉えてきたパーは、ドキュメンタリー写真に社会批評の視点を持ち込んだ作家として確固たる地位を築いてきました。本作は、そうした彼の関心がファッションという領域に向けられた写真実践を編集・集成した一冊です。ランウェイや広告が示す理想像ではなく、街角やイベント会場、その周縁に現れる人々の装いに視線を向けることで、流行をなぞる欲望と個人的な嗜好がずれたまま共存する現実が浮かび上がります。写真は対象を嘲笑することなく、装うという行為がいかに社会的な規範や価値観と結びついているかを淡々と示し、見る側自身の判断や視線のあり方を問い返します。ドキュメンタリーと社会批評を横断してきたパーの方法が、ファッション写真の文脈を外側から読み替える試みとして結実した一冊です。写真家サイン入り。