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日本の写真家・石田省三郎(1946-)の作品集『Radiation Buscape』。長年にわたり弁護士として活動する一方で写真制作にも取り組み、京都造形芸術大学で写真を学んだ石田省三郎は、法律家として社会と向き合う視点と写真家としての探究心を併せ持つ異色の存在です。本書は東日本大震災から5年後の2016年、福島第一原発事故の影響によって不通となった鉄道区間を補う代行バスの車窓から撮影された写真によって構成されています。タイトルの「Buscape」は、BusとLandscapeを組み合わせた造語であり、移動する車内から見た風景という本書独自の視点を象徴しています。そこに写るのは道路沿いの家屋や草木、町並みといった何気ない風景ですが、その背後には放射線量の高さゆえに人の営みが途絶えた地域の現実が存在しています。放射能そのものは写真に写りません。しかし、もし原発事故がなければ目の前の風景もまた存在しなかったかもしれない。本書はそうした「見えないものの痕跡」を風景のなかから見つめようとする試みであり、被災地の記録や社会的告発にとどまらず、写真というメディアが何を写し、何を写すことができないのかを静かに問いかける作品となっています。デザインは鈴木一誌+山川昌悟。タカザワケンジ「見えないもののなかをバスは走る」収録。
<Condition> ジャケット・本体:経年並み
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