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日本の写真家・高地二郎(1946-2010)の写真集『GINZA: Through the eye of a Salaryman 1950-1990』。高地は職業写真家ではなく、一企業に勤めるサラリーマンとして働く傍ら、1950年代から1990年頃まで約40年にわたり銀座の街を撮影し続けました。華やかな商業地として知られる銀座を舞台にしながらも、その関心は名所や流行の表層ではなく、街を行き交う人々の姿や路地の風景、建設工事の現場、店先の佇まいといった日常の断片へと向けられています。本書には、戦後復興期から高度経済成長、そしてバブル経済前夜に至るまでの銀座の変遷が、一人の生活者の視線を通して収録されています。高地の写真は生前ほとんど公表されることがありませんでしたが、没後に長女の髙地治子が自宅に保管されていた膨大なネガやプリントを発見。その整理と調査を進めたことをきっかけに再評価が始まり、展示や出版へと結実しました。本書は、無名の写真家が残した貴重な都市の記録であると同時に、父の遺したアーカイブを未来へつなごうとした娘の活動によって実現した一冊でもあります。戦後東京の記憶と、家族による継承の物語が重なり合う写真集です。