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日本の作者による『風流写真川柳集』(新流社、昭和三十六年刊)。写真と川柳を組み合わせた一冊ながら、収録される写真は女性モデルに特化しており、当時のグラビア文化と軽文芸が交差する“昭和の風流”を体現した小出版物です。ヌードや半裸が含まれるものの、露骨な刺激ではなく、視線を誘う仕草や身体の曲線、化粧や装いの余韻といった「見立ての美」を重んじた構成が特徴で、昭和初期から続く艶笑文化の系譜に連なりつつ、下卑た印象を避けた静かな官能が漂います。添えられる川柳は、軽やかさで写真の世界を和らげたり、逆に僅かに含ませたりと、視覚と文芸が互いの余白を引き出す役割を担い、当時の大衆文化に特有のユーモアや情緒をそっと呼び起こします。女性像を一方的に消費するのではなく、季節感・しぐさ・間合いといった日本的な“風流”に寄せて表現することで、ヌード表現と川柳が品を保ちながら同居しており、写真文芸が持ち得た柔軟さと遊び心をよく示す一冊といえます。昭和三十年代の小出版社だからこそ生まれ得た、希少な文化の断片として今も独特の魅力を放っています。