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日本人アーティスト・森田幸子(1973-)による作品集『Time in Air, Time in Paper』。武蔵野美術大学で彫刻を学んだ後フランスへ渡り、現在はアンジェを拠点に活動する森田。本書は20年以上にわたって制作された作品から51点を収録し、その独自の表現を一冊にまとめた作品集です。森田はイタリア製の水彩画紙に自ら刷毛で感光剤を塗り、35mmフィルムで撮影したイメージをアンティークの引き伸ばし機で焼き付け、さらに水と絵筆を用いて像を整えるという独特の手法で制作しています。植物や果実、魚、パン、身の回りの品々など、ごく日常的なモチーフは、写真でありながら鉛筆画や古い植物図譜を思わせる静謐な像へと変化していきます。一瞬を定着させる写真と、手を動かしながら時間を重ねる絵画や彫刻、その双方の感覚が共存するところに森田作品の魅力があります。写真というメディアの物質性と時間を丁寧に掘り下げた美しい一冊です。